アイコン

Last-Modified: 1999/07/02

 アイコンはセンスが必要だと思っていませんか?  そんなことは全然ありません。  絵心が無いと思う人はアイコンに絵を描くのではなく、図形や記号を書けばいいのです。  無理して立体感などつける必要はありません。  要は線が引ければそれでいいのです。

 実際の描き方は後回しにして、とりあえずアイコンの意義というものを考えてみましょう。  GUIなOSなら大体ソフトウェアや機能を識別するものとしてアイコンが使われていると思います。  アイコンを見てソフトウェアを識別できないようなアイコンは、その役割を果たしてないと言えるでしょう。  開発環境のデフォルトのアイコンをそのまま使用している場合など、それに当てはまります。  アイコンの絵を見ただけで何のソフトウェアか識別できれば起動するのも楽になるでしょうし、沢山ソフトウェアがあったとしてもアイコンを頼りにソフトウェアを探すこともできるでしょう。

 このアイコンの絵もソフトウェアの名前と同じくソフトウェアの機能やロゴを盛り込んでいるものが多いと思います。  アイコンを見ただけでどんなソフトウェアか想像できるものが望ましいと思いますが、それにこだわらずにもっと自由に描いていいと思います。  しかしアイコンにソフトウェアのタイトルを書くのはどうかと思います。  アイコンとソフトウェア名がセットの場合が多いのでアイコンとソフトウェア名で同じものが書かれているのも変だし、ソフトウェアを探すのにアイコンを読むという本末転倒な状況になると思います。

 メールを読むソフトウェアであれば手紙のアイコンを利用することでメール関係だなというのが分かりますが、それだけでは特徴がないので少しオマケ的なものを加えるというのも手です。  そうすることで自分が作ったソフトウェアだということを認識してもらいやすくなると思います。  他のソフトウェアのツールの場合など、大元のソフトウェアのアイコンを利用すればそのソフトウェアに関わるものだなというのが一目でわかるようになります。  しかし人のアイコンを勝手に使うわけなので作った人の了解をもらうことを忘れずに。  もっと独自な路線を切り開いてまったく関係ない絵を描くというのも悪くないと思います。  身近な例としてICQとあの花のアイコンの関係は掴めないと思いますが、あの花のアイコンを見ればICQだと一目で分かるほどインパクトがあると思います。  もし花ではなく手紙みたいなアイコンだとすればインパクトが薄れてメールのソフトウェアかな?と勘違いされてメールのソフトウェアは今使ってるので十分だと思ってる人は手を付けてくれないかもしれません。

 さて一番始めに書いたセンスは必要ないという文ですが、実際にどういう風に描けばよいのか説明します。  絵を描く時に構図がしっかりしていないと世間では下手な絵と言われてしまいます。しかしその構図を気にしないでいいような絵を描けば下手とは思われないのです。  立体や斜めなど構図をしっかりしないといけませんが、平面でまっすぐだけという考え方をすれば構図はほとんど必要なくなるのです。  例えば箱を描くのに斜めから見上げた感じで立体的に描くと難しいですが、真正面から見たものを描くのは非常に簡単です。

 右は箱に見えないと思われるでしょうが、箱と言われれば箱に見えるものなのです。  このような感じで平面に描くことによってセンスなど必要なしに誰でも描けるようになるものなのです。  あと必要なのはちょっとした工夫やアイデアです。

 先ほどのメールを読むソフトウェアの場合に手紙の絵を描けば~という部分から手紙を書いてみます。  手紙は横長の長方形の中に少し線を入れた程度の絵でいいのです。

 しかしこれではあまりにも寂しいので色を加えようと思います。

 色を加えたところで寂しいことには変りないのですが、少し線を太くする程度で厚みが出て寂しさが減少します。

 このように線を太くするという工夫一つで結構変るものなのです。  あとはこれに自分のロゴでも加えれば立派なアイコンが完成するわけなのです。  ロゴに限らず何かの記号や機能の一部を描き加える程度でもいいと思います。


 ということで完成品です。3番目のアイコンを3枚重ねにしただけのものです。  これだけでも一番始めの手紙のアイコンと比べるとかなりインパクトがあると思います。  線で簡単な図形が描ければあとはそれを移動したりするだけでもちょっと変った感じになったりもします。

 たしかに立体的に描いたりした方が格好良いですが、自分はそういうのは描けないと思えば無理して描かないで真正面から見て平面に描けばうまく描けるはずです。  腕に自信がある人はその腕を活かして色々描いた方がいいと思いますが、ごちゃごちゃした絵だと何を描いてるのか分からなくなってしまいます。  パッと見で何を描いているのか分かる必要もアイコンにはあると思います。

 ソフトウェアを紹介しているサイトなどでソフトウェアを探すときにまず何が目に入るかと考えればアイコンがまず目に入ると思います。  そこでユーザの目を止まらせれば勝ちなのです。  ユーザと作者との一番始めの駆け引きで勝利を収めてください :-)


(C) Copyright 1996-2000 By Tomoaki Nakashima. All right reserved.

- prev - return - next -

mailito:<nakka@nakka.com>